11
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
   

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

出浦様の思考を読み解く

室賀を殺すことを言い出したのは出浦である。「昌幸を殺しに来るから」と彼の理屈は明快だが、信幸のように割り切れないのが普通だろう。11話は悩む信幸とドライな出浦の対比でもある。

また、出浦は単に冷血で人の気持ちを理解しない人間ではない。3話を視れば分かるが、信繁は出浦をしたっており、出浦も信繁に術を教えるなどの交流がある。また同じく3話で、信幸が父に騙されて相当落ち込んでいるときには、信繁に信幸の「話を聞いてやれ」と言って気遣いをしている様子が描かれている。
そんな交流がありながらも、昌幸の危機ならば信繁の祝言も利用する。彼の最優先事項は昌幸であるから、他のことへの感情はオフになるのだろう。

また出浦は室賀のことを「悪い男ではない」と評したから嫌ってはいないのだろう。だから彼に葛藤がまったくなかったわけではないと推測できる。しかし昌幸の敵となれば「なべきことは一つ」と何の躊躇も見せない。昌幸のためなら自分の情など切り捨てられる男である。

次に室賀を討つときの出浦の動きから彼の思考を読み取っていこう。
室賀とは距離が離れているから、当然彼の飛び道具が一番早い。
掛け軸の裏から登場し、腹を刺す。
人間は腸を刺されるとまず助からない(ただし即死ではないので、切腹の際には介錯が必要になる)。的確に致命傷を与えているところから、殺し慣れていることが分かる。もみ合うさいに室賀は出浦の首を斬ろうと刀を首の後ろに回していたが、室賀が出浦を投げ飛ばす。次に信幸が「御免」と叫んで斬りかかる。その間出浦は何をしていたかと言うとその場に立っているだけである。疲れたのもあるだろうが、静観して「室賀は手負いなのだから信幸でも大丈夫」と判断したのだろう。
指摘があった通り、信幸に斬らせることには「親の敵を討たせて、嫡男として花を持たせたかった」からだろう。信幸の経験が浅いのかは知らないが、練習させるつもりだったのかもしれない。

しかし私にはそれ以外の意味があったように思う。
話を少し戻すが、室賀を迎え撃とうという話が出たときに、信幸は祝言を利用するなど「卑怯」だと難色を示した。人を斬っても眉ひとつ動かさない出浦だが、このときばかりは「お主の父親を殺しに来るのだぞ」と声を荒げた。彼の感情が見えるときは昌幸にかかわることであることが分かる。またこの場では昌幸を「殿」や「真田家の棟梁」でもなく「お主の父親」と呼んでいることに注目したい。怒りをのぞかせながらも信幸の立場に立ち、より彼の心に響く言い方をしているのである。怒っていても頭の回転は速い。

出浦は信幸の甘さが気に障ったのではないか。彼にとって室賀を討つのは決まり切った結論なのに、嫡男たる信幸は迷っている。だからこそあえて、信幸に斬らせるべきたと判断した。真田家当主の嫡男として、昌幸の息子として、責任や自覚を求めただけではない。感情的に許せなかったところもあっただろう。
「昌幸のためなら、弟を傷つけようが室賀を憎みきれなかろうが、己の迷いとともに斬り捨てよ」と。

信幸も手を下したことで、「弟の祝言を血で染める」ことに完全に加担してしまった。自分が始末してもよかったのだが、あえて手を汚させることは、信幸への罰ではなかったのかと思うと本当に萌える。

信幸は室賀に切りつけた後腰が抜けており、きりを助けようとした内記も一太刀浴びせはしたが、止めまでは刺そうとしない。しぶとく生き延びようとする室賀の意思が伝わって気圧されたのか。昌幸が室賀を手にかけることにためらいがあることを汲んだのか。もはや室賀に武士の情けとして「腹を召されよと」言える状況でもなく、殺すしかない。

出浦は室賀の背に跨って立ち、首を切った。外のものが手を出さないし、「ただ必要なことだったから」終わらせただけのようだ。まるで事務作業だ。
出浦は皆が集まってから、最後の仕上げとばかりに状況説明までしている。それも「室賀殿が先に仕掛けたのだ」などの普通の話し言葉ではなく、あらかじめ文章を用意していたかのように読み上げた。そこまで気が回るくらい彼は冷静沈着なのである。

とここまで書いたが。




こういう作法なども詳しく描いているのも真田丸の特筆すべきところですね。
スポンサーサイト

Secret

最新記事

カテゴリ

プロフィール

Author:ありょーしゃ
過労→希死念慮→自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)→当事者会を立ち上げる前に辞める→旦那の献身的な対応で私生活は問題なし。

FC2カウンター

読んだ本

last.fm

twitter

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。