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words

男はハンドルをぐるぐると回している。
ぱたり、ぱたりと数字の書かれたプレートがめくられていく。
私はそれが数字だと知っている。
二枚のプレートなのだから二桁の数字だ。
では何の数が書かれているのか、と聞かれると分からない。
画面全体がやわらかくにじんでいる。
古いモノクロームフィルムの中に私はいるのだ。
数字はぱたりぱたりと変わり、時折男は数枚手にとって戻してみたりもする。
私に見せているのか。
それとも私が見えないのだろうか?
私はおそらく椅子に座って彼を見ている。私はちゃんと自分の体の中にいる。
中にいるのだ。自分が自分そのものでなくて、自分が自分という肉体の中にしまい込まれている。
他人の体ではない。私は私だ。いや、私は私の体の中にいる。私は私であるし、私は私の中にいる。私は箱のようなものなのだから動くことも考えることもない。しかし私は考えているし、私の目を通して見ている。覗いている。しかし私の中にいるので私はわたしではなくなっている。
私は私ではないものなのだろうか?
もしや私は彼なのだろうか? それとも彼が私で、私はここにいないのだろうか?
いやも間違いない私は私だ。この奇妙な矛盾した感覚は何なのだろうか。
男はぱたぱたと数字をめくっている。私はそれを見ている。見ている。視線を外すことはできないし、そうするつもりもない。
彼は何故数字をめくり続けているのだろうか。
私への暗号なのだろうか。
私は何故ここにいるのだろうか。
私はいったいどこにあるのだろうか。
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Author:ありょーしゃ
過労→希死念慮→自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)→当事者会を立ち上げる前に辞める→旦那の献身的な対応で私生活は問題なし。

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